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2019年07月13日

第10回6/18成瀬貴良先生『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』おさらい

みなさまこんにちは!

いつもインド哲学講座にご参加くださりありがとうございます。

第10回 6/18 『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』のおさらいになります。

よろしくおねがいいたします(^^♪

miko

 

第10回  6/18『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』

1-16 (補説)ハタ・ヨーガのヤマ・ニヤマ

 

ヤマ(やってはいけないこと)

  • ①非暴力 アヒンサー 

アは否定 ヒンサーは「暴力、障害、損害」。生物に害を与えてはいけない。

実際の行為でも(身)、言葉でも(口)、心でも(意)でもアヒンサーを守る。

  • ②誠実 サティア

「真実、誠実」嘘をつかない。

  • ③不盗 アステーヤ

アは否定。ステーヤは「盗み、窃盗、強奪」。他人の物を盗んではならない。また欲しがったり羨ましがったりしてもいけません。物だけではなく人の平和や時間も含まれます。

  • ④禁欲 ブラフマチャリア

ブラフマンは「梵」、チャリアは「行為、実行」。「禁欲、独身生活、純潔」

「ブラフマンを探求する行為」のことで、性的な行為の抑制ばかりでなく、あらゆる感覚の統制をも含んでいます。

  • ⑤寛容 クシャマー

「寛容、忍耐」。過去の思い出に縛られず、前に進んでいく力のこと。「今」に生きること。

自分が寛大になれば、人生はより楽しいものになり、調和のとれた素晴らしいものになります。

  • ⑥堅固 ドゥリティ

「堅固、堅忍、着実」。しっかりとした心で様々なトラブルを耐え忍ぶことです。

ヨーガを学んでいても様々なことが起こります。ヨーガ・サーダナ(修行、実習)の結果が現れないことへの忍耐も大切です。思うように結果が出なくてもヨーガに対する信頼を失わず、継続していかなければなりません。長い間にはヨーガをやる気がない時もあるかもしれませんが、今まで通りのアーサナやプラーナーヤーマなどを行うのです。やがてまた、ヨーガに心や関心が戻ってきます。ですからサーダナを続けることが大切です。

マナスィック・プージャ➡マナスとは「心、意識」。心で礼拝すること。

ルームティ・プージャ➡ルームティとは「形のある」。伝統的な方法で行なうプージャ(礼拝、供養)。

心も大事ですが形も大事です。形があれば心も戻ってきます。日々休まずサーダナを行うことが大切です。

  • ⑦同情 ダヤー

「同情、あわれみ」。どんな人にも平等に親切に接する。ボランティア活動においても、神聖な気持ちで行うことが大切です。

スヴァーミー・シヴァーナンダはリシケーシでの修業時代、薬や食物を、病気や年老いて動けなくなったスヴァーミー(ヨーガ行者や聖者の名前に付ける)たちに配って歩きまわり、自分の厳しいサーダナ以外にも他人への奉仕も行っていました。

 

  • ⑧謙遜 アールジャヴァ

「謙遜、誠実、真摯」。人に褒められた時など、自分が思い上がっていないかと反省してみる。

ヨーガを長く学んでいればエゴが弱くなるとは限らず、逆にエゴが強くなることさえあります。エゴをなくしたり弱めたりすることは大変難しいことでもあります。

 

  • ⑨節食 ミターハーラ

「節食、適度な食事」。身体や心にとって適度な食事で、量と質と関係します。1-15(ヨーガを破壊する6つの条件)でも触れていますが、量に関しては「胃の中は食べ物が4分の2、水が4分の1、空気が4分の1」が理想と言われています。食べすぎは消化不良、心身のだるさ、毒素の蓄積をもたらします。食の質に関しては、アーシュラムの食事は完全ヴェジタリアンで、肉や魚、卵も使いません。スパイスも強くなく油もあまり使いません。なぜ菜食なのかはアヒンサー(非暴力)の教えもありますが、サットヴァ的(純質)な食べ物をとるという教えがあるからです。アヒンサーだけの教えでは野菜もフルーツも生きているものなので食べられなくなってしまいます。

食べ物がヨーガに与える影響は大きいですが、はじめから無理をしてヴェジタリアンになる必要はありません。自然と身体がそのようになれば食べるものが変わってきます。そうなったときに切り替えてみるのも一つの方法です。

ここで一つ注意がありますが、肉食の人は精神的な人ではなく、菜食に人は霊的にも素晴らしいひとであるという誤解です。食べるものと精神性はイコールではありません。肉食の人でもたばこやお酒を飲む人でも立派な方は大勢います。厳格なヴェジタリアンでも、心の狭い、人間的に尊敬できない人もいます。何を食べるかはその国の習慣性もあります。食事だけでその人が立派なヨーギーかどうかを決めることはできません。

  • ⑩清浄 シャウチャ

「清浄、純潔」。身体も言葉も心も清浄で純粋であること。

 

 

ニヤマ(すすんでやること)

  • ①苦行(熱、勤行)タパス

インドでは、苦行をすることである境地に達したり、神通力を得たり、あらゆる穢れを燃焼することが出来ると考えられてきました。ヨーガの行法が確立される前は苦行がインドでの一般的な修行法でした。

  • ②知足 サントーシャ

「知足、満足、貪り求めないこと」。不平不満を抱かず、与えられた環境や生活に感謝、満足すること。何も努力しないで良いという消極的なとらえ方ではない。

  • ③神の信仰 アースティキャ

「神への信頼、信仰」。インドには神話に出てくるような神ばかりでなく、姿形のないブラフマン(アートマン)と言うものがあります。「大いなるもの」「大いなる力」で目には見えませんが、この世にはきっと何か大きな力が働いていると言う感覚です。神秘的な力。心で感じるもの。ヴェーダンダ哲学では、このブラフマンを目指します。

  • ④布施 ダーナ

「布施、喜捨、施物」。旦那さんの語源。自分に物質的金銭的な余裕がないから何もできないということではなく、人への奉仕や親切にすること、やさしい言葉をかけるなどもダーナであります。仏教では「和顔愛語」と言う言葉があり、これも笑顔でやさしい言葉をかけることです。

スヴァーミー・シヴァーナンダの言葉で「人に与えることで、自分が貧乏になることなど絶対にありません」「布施と言うのは強制されて行うものではなく、自発的なものでなくてはなりません。与えるという行為が習慣にならなくてはなりません。与えるという行為の中に喜びを感じるようにならなくてはいけません。」

お布施をした後で、自分の誰かに褒めてもらいたいと心配することや、いやいや行為をすることは、タマスィック(タマス=暗質、鈍い)なお布施です。お布施をすることで大いなる存在を感じることが大切であります。

  • ⑤自在神崇拝 イーシュヴァラ・プージャナ

インドではプージャという宗教的な儀式が盛んに行われます。しかし、ここで言う「イーシュヴァラ・プージャナ」は外面的なものではなく、心の中で自分をお守りくださいと祈願することです。あるいはそういう敬虔な姿勢なこと。

ヨーガはグルがいないと成功しないと言われています。しかし、実際にインドでもグルがいるとは限らない為、このイーシュバラを念じたり思い描いたりして“オーム”を唱えます。オームとはイーシュバラの名前のことで、お側に来て間違った方向に行かないようにお祈りをします。

 

  • ⑥聖教の聴聞 シッダーンタヴァーキャッシュラヴァナ

伝統的な聖典や聖者の教えを学んだりすることです。インドではヴェーダ聖典やギーターやウパニシャッドを学んだり、聖者やヨーガ行者の話を聞いたりします。アーシュラムもでもサット・サンガというプログラムがあり、1365日あります。みんなが集まって、グルやスヴァーミーを中心に、ギーターの朗読や解説、聖典の中の話やグルの話を聞きます。キールタンを歌い、マントラを唱えます。

  • ⑦慎み深さ フリー

「慎み深さ、はにかみ」。ヤマの8番目のアールジャヴァ(謙遜)と同じです。

  • ⑧敬虔(けいけん)な思想 マティ

「敬虔な思想、崇拝」。何かを深く考えること。良いことも悪いこともすべて意味があり、私たちの身の回りで起こることは偶然ではなく必然であると言います。

スヴァーミー・シヴァーナンダの言葉で「経験したり感じたりしたことを軽く受け止めてはいけません。そこから何かを学ばなくてはなりません。その気になれば、この世のあらゆることから学ぶことが出来ます」と。

  • ⑨マントラの誦唱(ずしょう)ジャパ

(マントラを)繰り返す、低く唱える」。マントラを何回も繰り返し唱える。インドではヨーガに限らず、サット・サンガ、儀式、学習、食事など、人が集まった時、何かが行われる時は必ずマントラを唱えます。

  • ⑩献供(けんく)フタ

「供物を捧げること、献供」。通常、儀式においてはミルクや油やお供物などを捧げますが、ここで言う「献供」とは、自分の行うことのすべて、ヨーガにしても仕事や食事にしても、それらすべてを「大いなるもの」に捧げる気持ちで行為をするということです。

大いなるものに捧げるカルマ・ヨーガ(行為のヨーガ)であります。

 

「ヨーガ・スートラ」を教典とするラージャ・ヨーガには、アシュターンガ・ヨーガと呼ばれる8つの実践があり、その最初と2番目の実践がヤマ(禁戒)、ニヤマ(勧戒)です。ラージャ・ヨーガで最初に学ぶべきものが、ハタ・ヨーガではそれほど重視されず、補説としてあります。

ラージャ・ヨーガでは、まずヤマ、ニヤマを行い、アーサナ、プラーナーヤーマ、プラティアーハーラ、ダーラナ、ディヤーナ、サマーディに向かってサーダナが始まります。それは身体からではなく、まずは心のコントロールから入るため、今日の時代には難しいことでもあります。その点、ハタ・ヨーガではまず初めにシャット・カルマやアーサナで身体を浄化し、プラーナーヤーマ、ムドラー・バンダなどで心身を強化していきます。身体が浄化されナーディーが清まれば、自然とヤマ、ニヤマも実践しやすくなります。

 

 

・アーサナについての解説(1-17節から1-55節)

1-17節 アーサナはハタ・ヨーガの最初に行なう

 

スヴァスティカ・アーサナから始まってバドラ・アーサナまで、15種のアーサナが説明されています。

 

スヴァスティカ・アーサナ(卍のポーズ)

ゴームカ・アーサナ(牛の顔のポーズ)

ヴィーラ・アーサナ(英雄のポーズ)

クールマ・アーサナ(亀のポーズ)

クックタ・アーサナ(にわとりのポーズ)

ウッターナ・クールマ・アーサナ(上向きの亀のポーズ)

ダヌル・アーサナ(弓のポーズ)

マッチェーンドラ・アーサナ(マッチェーンドラのポーズ)

パシュチマターナ・アーサナ(背中を伸ばすポーズ)

マユーラ・アーサナ(孔雀のポーズ)

シャヴァ・アーサナ(しかばねのポーズ)

シッダ・アーサナ(達人のポーズ)

パドマ・アーサナ(蓮の花のポーズ)

シンハ・アーサナ(ライオンのポーズ)

バドラ・アーサナ(幸福のポーズ)

 

その中でも優れたアーサナとして①シッダ、②パドマ、③シンハ、④バドラ・アーサナの4つがあげられています。

 

1-56

アーサナ・プラーナーヤーマ、ムドラー、瞑想(ナーダ音の考察=身体の内部の音を観る瞑想)がハタ・ヨーガの順序

1-58

節食 

やさしく甘いもの、胃の4分の1は空けておく。シヴァ神(神様)の喜びの為に食べる。

 

ここで言う甘いものとは、砂糖のたくさん入った食べ物ではなく、新鮮おいしいサットヴァ的な食べ物と言う意味です。一般に食事は生活の楽しみの一部ですが、ヨーギーは自分の欲求を満たすために食べるのではありません。ヨーガを行うために、人のために働くために健康な身体を維持していかなくてはならないので食事を摂るという考えです。

 

1-59

食べ物の禁忌①

塩気のもの、熱いもの、野菜、酸っぱいお粥、油性のもの、ごま、マスタード、アルコール類、魚、肉、カード(ヨーグルト)、バターミルク、ホースグラム、ナツメ、油を使ったケーキ、あぎの樹脂、学習、ガーリック等は禁じられている。

 

1-60

食べ物の禁忌②

不適当な食べ物を知るべきである。再び温めたもの、乾燥したもの、塩気の強いもの、酸っぱいもの、(混ぜた?)野菜は避けるべきである。

 

1-61

禁忌事項

初めのうちは火、旅、女性は避けるべきである。ゴーラクシャは言った、悪意のある人のそばにいること、火、女性との性交、旅、早朝の沐浴、断食、肉体を苦しめる行為は避けるべきである。

 

1-62

推奨される食べ物①

小麦、米、大麦、早稲米、ミルク、ギー、砂糖、新鮮なバター、蜂蜜、乾したショウガ、きゅうり(の一種)、5つの野菜、インゲン豆、きれいな水は自制した人(ヨーギー)に良い食べ物である。

 

1-64

あらゆる人もヨーガによって成功する

若い人、老いた人、はなはだ老いた人、あるいは病人、あるいは虚弱な人もまた、たゆまないすべてのヨーガの実習によって成功する。

 

ヨーガの本質をとらえたとても大切な節です。難しいポーズで若い方だけに偏るのではなく、どのような方でもマイペースに行えるのがヨーガの特長です。本来ヨーガは静かな動きで、体操ではなく瞑想です。自分の身体と対話しながら行います。

1章の中で成瀬先生が一番好きな節と言うことでした。

 

1-65

ヨーガは実習することによって成功する①

正確な実習によって成功する。実習しない人に若い人に(成功は)あり得ない。聖典(シャーストラ)の学習ではヨーガの成功は生じない。

 

1-66

ヨーガは実習することによって成功する②

(ヨーガの)衣服を着るだけでは成功しない。(ヨーガを)語るだけでは成功しない。実習だけが成功を生じる。このことに疑いはない。

1-67

ハタ・ヨーガはラージャ・ヨーガに至るまで実習

 

(いくつかの)坐法(アーサナ)、クンバカ、その他すべての神聖なるハタ・ヨーガの実習は、ラージャ・ヨーガ(サマーディ)の果実まで行なわなくてはならない。

 

ハタ・ヨーガの実習はサマーディ(三昧)に至るまで行わなくてはなりません。身体を使うハタ・ヨーガのゴールは精神的なものです。第1章の第1節の「ハタ・ヨーガはラージャ・ヨーガに登ろうとする人にとってははしごのようなものである。」

しかし、ここで言うラージャ・ヨーガとは『ヨーガ・スートラ』の中で説かれているヨーガではなく、サマーディの同義語であります。

ハタ・ヨーガはアーサナ、プラーナーヤーマ、シャット・カルマ、ムドラー、瞑想を行わなくてはなりません。

 

 

以上、『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』第1章アーサナ編でした。

今回のまとめの資料として

YOGA BOOKSの『ハタ・ヨーガ・プラディーピカー』前編、訳・解説、成瀬貴良

BABジャパン『ヨーガ事典』成瀬貴良(編著)

のご本を参考にさせていただきました。

 

教典に載っていることを、現代の生活に当てはめようとしても難しく、頭が混乱することもあります。だからこそ、成瀬先生がインドやアーシュラムでの生活の中で経験されたことを踏まえた上で、直接お話を聞けることは、とても貴重な機会だと思います。

さらに、先生のご本の中でもっと分かりやすく解説してくださっていますので、是非参考にしてみてくださいね。

ヨーガとは何か?から学んで行って、8月で1周年を迎えますが、まだまだこれからですね。ヨーガとは?言葉で表わせば簡単かもしれませんが、その答えはとても奥深いものだと感じます。古来の先人、聖者の方たちが伝えて下さった叡智を、今の生活の中でどう生かしていくか、体験していくか、これからも楽しみですね。

以上ありがとうございました。

 

スタッフ miko

 

 

 

次回7/16(火)の講座ですが前回の資料をお持ちの方は、今回もお持ちください。

 

ご予約まだの方はこちらからよろしくお願いいたします。

講座の詳しい内容とご予約

➡︎https://reserva.be/hajimeteyoga1/reserve?mode=service_staff&search_evt_no=ffeJwzNDS0tDAFAAQ1ATo

 

★日時 7月16日 火曜日

16時〜17時半

★講師 成瀬貴良先生

2500

★場所 Yoga studio YUJ(東武東上線 大山駅より徒歩5分)

 

 

★次回 8/20開催 『プラーナーヤーマのワークショップ』のお知らせ

 

来月でちょうど講座開催から1年を迎えます。

8月20日はスペシャルイベントとして2時間のプラーナーヤーマのワークショップを開催します。

30ページの成瀬講師の実用テキスト付きです。

 

ご予約/詳細はこちらから➡︎https://reserva.be/hajimeteyoga1/reserve?mode=service_staff&search_evt_no=02eJwzNDS0tDADAAQ2ATs

 

今まで行ってきた呼吸法を復習する機会になりますし、プラーナーヤーマを学びたい方にもおすすめです。

是非ご予定くださいませ!!

 

7月の瞑想会、8月のプラーナーヤーマのワークショップともにご参加お待ちしております。

 

スタッフ一同より

 

 

 

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YOGA studio YUJ
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